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ひみ つ

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February,2023

2

骨を拾ったら、それが取り戻すことになっていた。

 

このことは、書き留めておこうと思う。

 

 

この間、聞いた話で、 自分の誕生日に学校に行かないと決めた子供がおったそうで

せっかくの誕生日なんだから勉強なんてしたくない!という理由ではなく、

 周りの友達にきっと<おめでとう>と言われその際に自分がどんな表情を、 リアクションをとったらいいのか、わからないからだという。

 それで困惑してストレスになるくらいなら、

最初から行かない。 今日が誕生日というイレギュラーな日が過ぎてしまえば回避できる。 ということだそうだ。

 

 

そのエピソードをきいて大概が首をかしげるのだと思う。 

なかには、せっかくみんなに祝福してもらえるのに、 礼儀知らずなと思う人もいるのかもしれない。それも理解できる。

書き留めておこうと思ったことは、 このエピソードの内容自体ではなく 

このエピソードを聞いた瞬間、 わたし自身もいくつかの情景が思い出された、ということだ。

 

 

どれも小さい時の記憶で
1つ目は

 誰かの誕生日会をしている時に、

自分以外の人がその時の主役に<おめでとう>と言いながら、その人のためにプレゼ ントを渡す瞬間。

 


2つ目は

 空港や駅のホームで、

誰かが見送りに来ていて旅立つ人の後ろ姿に向かって<また来てね>や<気をつけてね>と言いな がら手を振っているその、手。

 

 

どちらも、それが知っている人でも知らない人だろうと

その瞬間に立ち会うと涙が出てきて、見えている景色がいつも滲むのでした。

 

いつも子供ながら、悲しくはないのにどうしてだろうと漠然と思い

 しかし周りを見渡してはおんなじ様子の人は見当たらないし

 何より、自分の意思とは関係なくとも、それは流れてくる。

 

そしてその場で素直に涙を出すことは周りを困惑させることがなんとなくわかっていたから 

その意味を考える暇もなく、それを気づかれないように隠していた気がする。

 そういえば、誰かの誕生日のプレゼント渡しの時は、必ず途中でトイレに行ってはトイレットペーパーで目を拭いてい た。

 

今思い出してみると、どちらの涙も、

自身の発生場所、出所は一緒なことがただ、わかる。

 そして、そのエピソードを、記憶を 今まですっかりきれいさっぱり、忘れていた。

 

 

そのことを思い出すきっかけになったということは、 私は、自分の誕生日に登校拒否した子供にとても共感したのだと思う。

 私はその子と同じように行動をとらないと思うけれど、そういう気持ちになる出所を わたしも知っている。

忘れていたけれど、思い出した、取り戻したと言ってもいい。

 

これは、わたしだけではなく、 みんな少なからず、それぞれあったのではないかなとも思う。

小さい頃に、 なんの根拠も、なんの理屈もなく、 そもそも<言葉>としてまだ形成されていない、形容できない気持ち。

 

 

生きていく上で、

周りを見渡して あぁこういうふうにするのがきっといいんだ、と学習し 

そういう<言葉>や説明ができないものは、自然と厄介でしかなく その気持ちを持てば持つほど、自分の負担になる。

 だから、自然に手放していく。捨てて、なかったことにする。


簡単なのだ、 だって自分でも形容できない、形が定まらずに置き場に困った感覚であるから。 

伝え方も知らず、誰かに共有もされず、記憶にも残せない。

 

 

わたしは、たまたま その捨てていた記憶を思い出した。

 それが今なら、自分にとって大切なものだったと気づくことができる。

 自分から手放したとはいえ、幼い自分のそれは社会に適応するために捨てたのだと思う。 

それ以外、思いつかなかったのだと思う。

それをまた、取り戻せた。 それは私がわたしであるための、だいじな骨、

 

 

 

 

だから結局、とか その後それによって、とかはなく

 

ただ、そういう骨を今までずっと土に埋めていて、偶然拾うことができて それを抱きしめられた。

もどってきてくれて、うれしい。 と骨に話しかけることはできるようになったのだ。

Momoe Narazaki
:無くしたことすら忘れていたのに。別に探していたわけでもないのに。偶然なのか必然なのか、懐かしくて新しい出会い。見つけてくれてありがとう。

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